ワインは産地によって味が異なる。その基本的なところを以下に示してみました。
フランス
■ボルドー■
世界中の最も需要の高い地方。
すごい渋いワインが好き!ならこの地域のものを買うべし。
カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローといったメジャーなブドウ品種で造られ、ある程度涼しい地域なのでボリューム感よりは渋さが目立つ。酸がしっかりしているので熟成に耐えることができる。記念ヴィンテージはこの地域を選ぶのが無難。ボルドー訪問記はこちら。
■ブルゴーニュ■
世界で最も高いワインが生まれる地域。
ワインはエレガンスだ!と思っている人はこの地域。ピノ・ノワールという冷涼な地域でしか造れない果実味に富んでいてとても酸がしっかりしている。
ほぼ共通しているのは「梅」の香りと「いちご」などの香り。
白ワインも世界最高のシャルドネ。良いものは香ばしい香りにやられる。
ブルゴーニュ訪問記はこちら。
■シャンパーニュ■
もっとも気取って飲みたいならこの地域を。世界最高の泡。
いくら高くなっても日本にホストクラブがある限り売れ続けるワイン。
映画などに数多く登場するため、自分に酔いながら飲むのがお薦め。
シャンパーニュ訪問記はこちら。
■コート・デュ・ローヌ■
ボリュームがあるけどエレガンスも!という方にはこの地域。
南に位置するためボリュームはあるのだけどエレガントなワインが多い。
北ローヌと南ローヌに分かれているが特に北ローヌがそう。
南は「ぶどう」っていうのがよくわかるボリュームたっぷりのものが多い。
意外に評価されない地域だけに安くて美味しいものが多かったりする。
■アルザス■
酸味がとっても好き!な方にお薦め地域。寒い地域のため、赤ワインは殆どみかけることがなく、非常に酸味のある白ワインが多い。
ちょっとアルザスに詳しいと「なかなか通やな〜」と思われるので押さえるべき地域。アルザスの生産者はこちら。
■ロワール■
優しいワインが好き!な方にお薦め。最近はとあるカルト集団のような連中の影響で「自然派」という分類に属するワインが多く造られる地域として有名に。特にビオディナミというある意味宗教じみた手法で造られたワインは味わいも優しく二日酔いにならないと言われる。生産者を知るにはこちら。
■ラングドック&ルーション■
がっちりしたワインが好き!という人にお薦め。フランスで最も南に位置するためボリュームあるワインが多い。最近はカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローが多いためボリュームあるワインが多いが、ほんとに面白いのは地ぶどうで造られた(たとえばグルナッシュやサンソー)ワインだったりする。
なんといっても安いのがこの地域の嬉しいところ。
イタリア
■イタリア■
イタリアは全州でワインが造られているワイン大国。生産量もフランスと毎年1,2位を争っている。
一部違う部分もあるが、特徴としてはフランスのように多種多様というわけではなく、タイプとしては同じようなワインが多い。
全体的には比較的安くても美味しいものが多く、特に日本にこれだけイタリア料理が浸透していることを考えればもっともっと売れるような気がする。
全体的に赤ワインは甘酸っぱさが残るが、それが心地よいワイン。フランスワインとは少し相反するところがあり、どちらかを好きな人はどちらかが嫌いであるケースが多い?
白ワインは特別美味しいものは少ない。失敗がないのは酸がしっかり乗っているトレンティーノ・アルト・アディジェ州やフリウーリ州のものを選ぶべし。
■スペイン■
気温も情熱も暑い国では熱くなれるワインが造られている。
スペインはほぼ赤ワインとカバと呼ばれるスパークリングワインの国で白で優秀なものは少ない。
テンプラニーリョというブドウが広く植えられていて、特徴としてはイタリアの赤ワインに似ている。
少し甘酸っぱさが残るがしっかり濃く、少し甘めの味わいが残る樽の使い方をしているワインが多い。
全体的に安くても美味しいワインが多いが、高くても突出したものが少ない国でもある。優良生産者はこちら。
■ポルトガル■
スペインに負けず劣らず赤ワインが美味しい国。白も色々ある。
でもやっぱりこの国でワイン買うならポートでしょ。
■ドイツ■
甘口で知られる産地だけど実は辛口が多い産地。甘口はリースリングに代表されるようなエレガントなものが多いが、その場合「キューピー人形」の香りがする。
辛口にしても非常に寒い国のため赤ワインは良いものが少ないが、いずれにしても酸が非常に強く、どれも綺麗なイメージがある。
安くても甘口ならはずれは少ないはず。
■オーストリア■
白ワインに欲張りなあなたにはこの国。ワインの歴史は古く甘口で有名だったものの、不凍液事件で一時えらいことになってしまった。
今では辛口を主流にして輸出量はどんどん増えるばかり。
味わいはニューワールド並のボリューム感がありながらドイツのように酸が高い、いわゆる完璧に近い白ワインが多い。
赤ワインはそれほどないが、和食に最も合う白ワインとしてこれからも期待できそう。
■アメリカ■
ボリュームあるがつんとくるワインが好きな方にはこちら。
主な産地はカリフォルニアでオレゴンと最近はワシントン州が注目を浴びている。カリフォルニアは暑くて雨の少ない地域なので酸は少なめでボリュームのある赤ワインが美味しい。
白ワインも非常に濃厚でがつんとくる味。
食事なしで楽しめるワインが多いのでいつでも飲める利点がある。
優良生産者はこちら。
■オーストラリア■
カリフォルニアとよく比較される地域。がつんとくるワインが多かったが、最近はエレガントなものが増えてきた。赤ではシラーズ種が主に使われる。白はセミヨンとシャルドネが多い。
優良生産者はこちら。
■ニュージーランド■
新しいものが好きな人にはこの国。ミントの香りのする白ワインがソーヴィニヨン・ブラン。新しい形の白ワインでとってもおいしい。
赤ワインはピノ・ノワールが人気でブルゴーニュに匹敵するワインが造られている。今、もっとも売れてきている国だったりする。
■チリ■
安くてうまいワインはここ。チリワインブームなんて起こすくらい日本では誰もがこの国のワインを買ったけど、あのころはまだチリ独特の薬品臭みたいなものがあった。
今のチリワインは値段は変わらないままで品質はさらに向上。困ったらチリのワインを買おう。
■南アフリカ■
美味しいワインを探したらこの国に行き着く。
こんなに美味しいワインができる国をほかに知らない。しかも安い。フランスで3000円するものが同等の品質で1500円くらいで買える。特にシャルドネはお買い得なものが多い。赤もまずはずすことがない。お薦めの国。
■日本■
近年の品質向上は目覚しい。ほかの国と比べればやや割高であることは否めないが、梅雨のある日本ではブドウは成熟しないと思われていたが、最近のワインは世界に出して何も恥ずかしくない。誇りを持って飲みたい。
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